空の鳥

主に飼い猫+野鳥を撮って、紹介しています。

アトランタへ行く。

エアトランという会社の昼の便でアトランタへ。暖かくてコートがいらない。飛行機が着陸するや否や携帯が鳴る。ものすごい南部訛りの英語(人のこと言えません。私の英語は関西弁)で「ターンテーブルであなたの名前を書いた紙を持ってまってるわ」とおばさまの声。トイレでコンタクト・レンズを入れてゲートを歩いてるとまた携帯がなる「どこにいるの?」彼女は私がなかなか来ないから心配をしている。出迎えのおばさまは60歳くらいの小さい少し太った女性で、クリスマスの模様のカーディガンを着てニコニコ待っていた。彼女は私が疲れていないかずっと気を配り、空港の駐車料金は自分が払うと言って聞かず(世界中おばちゃんは同じ)ランチもごちそうしてくれた。行った店は南部のクリスチャンのやっているチェーン店のチキン屋で、これも自分が払うと言って聞かなかった。その上、アイスティーが甘過ぎないかと聞くので、ちょっと甘いと言うと、お店の人に取り替えてもらいに行った。
空港から45分南へにある大きなバプテスト教会へ。若い人々や子供たちが大勢ホールで食事をしていた。一人残らず白人。こぎれいな身なりの人々で肥満体で安物の服を着ているような人はいない。おばちゃんは一人残らず私を紹介してくれたので、百人は握手したと思う。全部名乗ってくれたが、ほとんど覚えられなかった。皆笑顔で歓迎してくれ、子供たちもよって来て歓迎してくれた。レベッカというそばかすのあるかわいい8歳くらいの女の子がずっとついて来て教会中を案内してくれた。大人も子供もすごい南部訛りで、飛行機はどうだったか、アトランタは初めてか、ボストンの雪はどうか、ニコニコしながら聞いてくれた。違う国に来たようだ。そういうと、「北部と南部は違うワールドなのよ」「ジョージアが一番」と人々が口々に言う。
ロッキーさんという小学校の先生が、聖歌隊の指揮をしていた。大勢のメンバーの前で「練習の後でボストンからきたこの方に、ピアノを弾いていただきましょう」と言う。
「え?聞いてない」と一瞬ぎくっとなるが、自信の無いそぶりをしてはいけない、とある友人に言われたことだし、ニコニコしてふるまい、何も準備してないのがばれないか心配だったがそんなそぶりをつゆほど見せずホールで即興で「いつくしみふかきゴスペル風」を弾く。皆拍手して喜んでくれた。
この教会は工事中だったがこのほど完成し、後10日で引っ越すそうだ。新しいチャペルは2000人のキャパシティ。立派だけでなく、若い人々が次々集い、地元に根ざして成長している教会だ。
夜はさっきのおばちゃんの家に泊まる。ご主人は銀行員で、古い広い家に住んでいて、インテリアはブルーで基調され、アンティークなものでいっぱいだった。ゲストルームにはプライベートバスがついていた。子供さんたちは結婚して巣立ち、ご夫婦ふたりだ。寝る直前までちゃんとした格好をして靴を履いて、ソファや揺り椅子に座ってテレビを見ていた。途中から来た私にテレビドラマのストーリーを丁寧に教えてくれた。ドラマが終わり、音楽番組になった。「ディクシー・チックス」という女性バンドが放映されていた。「あなた、この人達知ってる?私はCDをいつも買ってたの。でももう買わないわ。ブッシュ大統領を批判したの。」とおばちゃん。ブッシュ大統領をいつもボロカスに批判している私は、政治の話題になる前にこの事を知って良かったと思い、ひやっとした。これもサザン・ホスピタリティである。