空の鳥

主に飼い猫+野鳥を撮って、紹介しています。

大庭みな子著「津田梅子」

津田梅子に着いて書かれている本はあるが、この本は彼女がアメリカを出航して帰国する時からホストファミリーに宛てて書かれた手紙を、翻訳されたものであるので、とてもリアルである。
1882年とあるから、明治15年である。彼女は18歳で夢と希望にあふれていた。でも帰っても英語が家族に通じず、しきたりなどで逆カルチャーショックで悩む。同じ留学生でも大山捨松や瓜生繁子は結婚するが、梅子は結婚する意志を持たずにがんばって津田塾大学の基礎固めをする。
感動するのはやはり明治の日本人のしきたりである。お客があると、娘は接待しないといけない。
重い荷物を運ぶ仕事も男ではなく女がする。その話を母にすると昔はそうだったらしい。
梅子がぼやいているのは、男子留学生は帰国後高い地位について仕事が与えられているのに、自分は与えられない、ということ。
明治のみならず、現代でも当てはまる事が多い。
帰国してたとえ立派な仕事に就けても、未だに日本では女性の通る道は険しい。