空の鳥

主に飼い猫+野鳥を撮って、紹介しています。

梨本宮伊都子妃の日記

先日訪れた武家屋敷旧鍋島邸の鍋島藩主の娘の、78年にわたる日記。
実家は全国長者番付15位。。美貌で名高い姫だったようで、写真で見るとひな人形のようだ。皇族に嫁ぎ梨本宮伊都子妃となる。結婚の時パリから宝石を取り寄せ、そのひとつをとっても総理大臣の年俸の2倍位以上もした。
明治大正昭和と激動の歴史を生きてきたが、日記には興味深い事が書かれてある。関東大震災の時、被害の情報は飛行機で大阪に知らされ、船で救援のための米10万石が東京に輸送されたこと。震災記念日の9月1日は毎年握り飯と缶詰めで当時を思い出したという事。
ヨーロッパに行った時各国のロイヤルファミリーと面談しているが、イギリスが一番気に入った様子。なのに戦争に向かってまっしぐらに行った時、敵国になったので悪口をいっている。それなのに戦後占領軍が来て親米的になった。
気の毒だったのが戦争で屋敷が焼け、終戦後身分を剥奪された上夫は投獄されて、別荘や宝石類を手放さねばならなかった。「こんな事ばかりならば、長命していてもつまらぬ。なぜ焼けた時に死ななんだかと、悔やむ」とまで書いている。
明治大正昭和どの天皇とも親しくつきあっていたが、皇太子と道子様が結婚する時身分の違いが気に入らなかった。よほどむかついたと見え、短歌まで詠んで「日本も終わりだ」とまで言っている。そのくせテレビで見たりご成婚パレードの見物に良い場所を取ったりしている。以外とミーハーである。
天皇や宮様に対する敬語や丁寧語が面白い。更年期でイライラしている時は召使いの布団の敷き方が気に入らない。人間的なお妃。
日記は面白い。