空の鳥

主に飼い猫+野鳥を撮って、紹介しています。

イギリスのある女中の生涯

イギリスに実在したお屋敷女中の回想録。
お金持ちのイギリス貴族のお話は、物語のストーリーに取り上げられるが、使用人の人生について書かれた本は少ない。
彼女は1899年に貧しい使用人の子どもとして生まれ、14歳でお屋敷女中の奉公に上がった。
ひどい部屋に寝起きし、2年間一回も実家に帰らせてもらえなかった。給料は週1シリング、食べものもひどく、誰も健康を気遣ってくれる人はいない。希望がなく悲壮感漂う。
ただ時代は現代へと向かい、女中を沢山おく古い制度が無くなって貧しい女性の仕事に別の選択肢が出来た事がほっとさせる。
華やかな英国貴族のお屋敷、パーティ、ドレス、贅沢の背景にはつらい下働きをしている女中が大勢いたのである。
貧しい女性の生い立ちの実話「ラークライズ」と共通した事はあるが、違うのはこの主人公がラークライズのように小作人であっても村に育ったのと、お屋敷内の使用人住居で育った事である。従者として住むみこむという事は厳しい世界だったようだ。

イギリスのある女中の生涯

イギリスのある女中の生涯