不機嫌なメアリー・ポピンズ―イギリス小説と映画から読む「階級」 (平凡社新書)
- 作者: 新井潤美
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2005/05
- メディア: 新書
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小説や映画の中でどのように「階級」がわかるか、というもの。どの例も私の好きな映画や小説だったので、非常に興味深く読めた。
「ブリジットジョーンズ」の中では、主人公と家族が「アッパーミドルクラス」ではないことが、目印でわかるのだそうだ。その目印とは成り上がりの人が使う典型的な丁寧語だという。
映画で有名なメアリーポピンズも、原作ではあんな笑顔の素敵な家庭教師ではなく、ピシッと厳しい不機嫌なナニー(乳母)なのだそうだ。住み込みの家庭教師は中流出身、乳母は労働階級出身と決まっていて、話し方も違うのだそうだ。
でも今はそういった住み込みの家庭教師や乳母や執事もほとんどいないそうだ。カズオ・イシグロの「日の名残り」に出て来る執事も、作者ですら一度も会った事が無いのだそうだ。