空の鳥

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「ある明治女性の世界一周日記―日本初の海外団体旅行―」野村みち著

日本で初めて一般の「世界一周旅行ツアー」が募集され、53人が参加。うち3人が女性。

野村みちはそのうちの一人である。
彼女は村岡花子さんが卒業した、東洋英和女学校で英語を学んで、クリスチャンになった。
さらに京都出身のお母さん(姉が女官)明治41年(1908年)に徹底的に厳しいしつけを受けて育ち、結婚した相手が外国人相手に日本の美術品などを売る貿易会社の経営者だった。彼女は能力を発揮して夫を助けていたという。 世界一周旅行には一人で参加。子ども3人は置いて行った。お母さんが協力的で後押しした。 彼女の旅行はすごい。乗り物は全部一等。アメリカでは大統領にまで謁見しているし、ヨーロッパでは貴族にも会っている。 彼女は古美術品を扱っていただけあって、美術館や建物の装飾品、置物に対するものの見方が違う。教養のある、賢い、忍耐強い女性のようだ。 104年も前の出来事と思えないぐらい、色あせない描写。読んでいると乗り物と通信手段は変ったが、人々の様子や雰囲気は変わっていないように思う。

 

ある明治女性の世界一周日記―日本初の海外団体旅行

ある明治女性の世界一周日記―日本初の海外団体旅行