午前中は音楽ボランティア。
朝7時に出発。スピーカーを貸してくださった石井先生が裕子さん夫妻のホテルまで使い方を説明にわざわざ来てくださった。
刑務所に到着すると、鉄の門を開けてもらって車を入れる。職員の方々が暖かく出迎えてくださった。
カメラと携帯電話をセイフティーボックスに入れて、施錠された鉄のドアを何度も開けて通った。その際パスワードのボタンをいちいち入れた上刑務官の方のベルトについている鍵で開けてもらう。会場に着くまで角を何度も曲がってやっと到着。
コンサート会場は驚くほど小学校の体育館に似ていた。パイプ椅子が900程並べられてあって、刑務官の方々の椅子が中央と両脇に用意されてあった。
楽器の搬入をしてもらって、セッティングをした後、リハーサル。
私たちのために楽屋を2つ用意してくださり、お手洗いも男女別にあった。
一緒にお祈りをして、幕の後ろのステージに。緞帳が上がると、同じ色の服を着た丸刈りの方々が見えた。
怖じけづきそうになったが、このコンサートには神様が一緒に居て下さっていると信じて弾くこととした。
市岡裕子さんの講演は素晴らしくて、収監されている聴衆の立場に立った励ましと慰めになるようなものであった。
中でもアルコールや薬物の依存症、家族の問題で悩む方々への励ましが胸を打った。泣いている人もいた。
ところが「さあ皆さんも一緒に歌ってください。」
という裕子さんの呼びかけに、会場はしーんと静まり返っていた。
後で刑務官の方に尋ねたら、受刑者の人々は慰問コンサートの間、私語も歌も一切禁じられているそうだった。笑うのと拍手は良いそうだ。
コンサートが終わった時拍手をたくさんいただいた。緞帳が降りたあと、私たちは号泣。化粧が崩れる。
この刑務所はかつては(昭和40年まで) 10代の人が収監されていたが、今では平均3.5年の刑期の人々が収監されているのだそうだ。
約半数が麻薬や薬物の犯罪だそうだ。また道内の人はほんのわずかで9割が東京から来ているそうだ。
帰る前、所長さんから市岡裕子さんに感謝状が送られた。
今日のボランティアが役に立ってくれる事を心から願う。
夕方近くの山の上を観光する。