空の鳥

主に飼い猫+野鳥を撮って、紹介しています。

北海道の女 宮内令子著

昭和61年に書かれたこの本は北海タイムズ社の出版。小樽、占冠、雨竜とその母村である富山、遊郭の女性をルポタージュしたもの。
この頃のお婆ちゃんは明治生まれである。壮絶な苦労をしている。
女性の地位は低く、お産は穢れると言われ、家族に奴隷扱いされる苦労の連続だ。
でも北海道の女は富山の母村の女に比べて、自由で伸びやかに感じる。
最も興味をひいたのは遊郭の女の半生だ。
昔身売りされた女はその後どうなったか?
以外と結婚して、過去を秘密にして暮らしている。結婚しないで悪い男に騙されたりする人もいる。
著者は女性だが、元遊郭経営者や元警官の「男側」から見た証言も書いているが、実際遊女だった人の壮絶な証言と大きく違っていることに驚く。

石井光太著「神が捨てた裸体」の版バングラデシュ版に出てくる、貧しい人たちと明治時代の日本人と大差ないような気がする。

アジアの貧しい女はモノ扱いされるのだ。


枝幸の旧国鉄駅前の食堂。