手術から1日経った伯母は平熱で元気そうだった。constipation問題は解決され、食事も出来ているそうだ。大きい時計をマンションから届ける。バナナが食べたい、新聞が読みたいと言っていた。明日よりリハビリが始まるとの事。うまくいけば車椅子に乗せてもらえるかもしれない。
伯母の無事を見届けた後、病院の最寄りの地下鉄駅で友人と待ち合わせる。この近くに台湾人のEさんが住んでる、と言ったら、電話してみよう、と友人。
「え?近くに?今両親がちょうど来ているから寄って。」
とEさん。
10分後に台北から来ているEさんのご両親に会いに行った。親戚の女性もいた。
まだ4時だったし、ご挨拶だけしてと思ったのだが、そうは問屋が降ろさなかった。
まず柿を大きく剥いて勧めて下さった。
コーヒーが飲めないんです、というと、じゃ麦茶は?と言ってお湯のみにお湯と麦茶パック(ハウスの麦茶のようなもの)が入れられて出てきた。濃厚な麦茶だった。
次に台所の炊飯器に大きい魚が入っているのを見せて貰ったのだが、「食べる?」と聞くや否や返事を待たずに、大皿に盛って出てきた。
次にウズラのピータン、大根の葉のピリ辛炒め、根野菜のココナツスープ、搾菜などを勧められ、取り皿を奪い去って、次々盛り付けて下さった。
バナナやイチゴも勧められ、動けなくなるほど戴いた。
「お客さんがたくさん食べる、嬉しい。」
とニコニコするEさんのお父さん。
「魚を食べるのが下手だとお母さんに言われます。」
と言うと、
「魚を食べると、頭が良くなる。骨を食べると、骨が丈夫になる。」
とご両親。
「目〜食べる?」と訊かれたので「いいえ」と慌てて遠慮。キタロウの父そっくりの魚の眼は台湾の宴会では取り合いになるんだそうだ。
2年前に台北で買った服を偶然着て行ったのだが、「あの時買った服だ。」と憶えていて、「あの店の前を通るたび、思い出す。」とママ。
友達が服を買いすぎた時、
「やめて〜」
と店先でママが叫んだ話は、伝説となっている。
よく笑い、よく食べた。