寒い朝。3度。
外へ出せ出せと言うので、ベランダに出す。
中環の天ぷら屋へ。390円。
伯母の病院へ。ベッドから起きて座っていた。
昨日来るかと待ってくれていたそうだ。
「昨日はしんどうて教会も休んで寝ててん。朝も医者行って抗生物質もろてん。」
「しんどいのに来てくれたんやな。」
4人部屋の3人が退院して居なくなっていた。
ベッドサイドの引き出しを開けたら、伯母の大好きな明治のチョコレートがあった。
「H子さんから送って来てん」
と嬉しそうだった。
「頼みたいことがあるねん、ピアノの上のお人形のみよちゃんを座り直して欲しいねん。こないだ見たらへたばっててん。思い出すと可哀想で。」
「地震でそうなったんやね。」
「もひとつお願いがあるねん。窓を開けて風を通しておいて。」
「あかん、絶対あかん!家具汚れる。」
あと6日で帰られる、もうちょっとの辛抱や伯母。
風の中の牝鶏(1948)小津安二郎監督
戦後間もない東京のある若い夫婦の愛とそれを取り巻く人間模様を描いたもの。夫に押されて梯子段を落ちるシーンはスタントだとあとで読んでホッとした。
セリフは棒読みだが、素晴らしい作品だ。佐野周二、笠智衆の若い事。田中絹代さんの髪の毛、パーマでゴワゴワに傷んでいる。