空の鳥

主に飼い猫+野鳥を撮って、紹介しています。

浮草と浮草物語

小津安二郎は同じストーリーの映画を白黒とカラーと二本撮っている。私は白黒の無声映画の方が感動的だと思う。最初の白黒は「浮草物語」1934年(昭和9年)の制作。旅芝居の芸人がやってくると子供たちが集まってくるが、背中に赤ん坊をくくりつけている子供もいる。旅座長の隠し子を内妻に頼まれて誘惑する役者の娘(坪内美子)は、美人だがすれっからしではまり役だった。

1959年(昭和34年)のリメイク版「浮草」は、その娘役を若尾文子が演じている。彼女は上手だし美しいが、品が良すぎる感じがする。ミスキャストだ。この作品ではトーキーなので方言のアクセントの間違いが気になって仕方なかったが、二代目中村鴈治郎(中村玉緒の父)と京マチ子といった関西出身の役者は完璧だった。

両方の作品に笠智衆が脇役でいる。彼は一体何本の映画に出てるんだろう。

 

 

 

浮草 [DVD]

浮草 [DVD]