原題名"The Little Colonel"。
シャーリーテンプルが7歳の時に主演。
舞台は南北戦争の終わった1870年代の南部。
南軍将校だったロイド大佐の娘エリザベスが北軍だった男ジャックと恋に落ち、駆け落ちする。
数年たって貧乏になって故郷に戻った二人には、娘ロイド(シャーリーテンプル)が出来ていた。(エリザベスがなぜ娘に実家の苗字をつけたのか、疑問だ。)でも娘家族は大佐とは絶縁したまま。
ある日父ジャックが高熱で戻って来たので、祖父の家に預けられる。
だが、ロイドは超キレやすく、おじいさんに泥んこを投げつけるし、南北戦争の人形ごっこではブチ切れてテーブルをひっくり返す。
巨人の星の星一徹と同じや。
二階に行くのが嫌だとごね、従僕のワォーカー(ビル・ロビンソン) がタップダンスを見せたら、一緒にタップダンスをして機嫌を直す。この見せ場が、すごい。
芸達者な犬も出て来て、見飽きない。
家に戻ると、悪者が侍女を閉じ込め、病気のお父さんを脅していた。そこからのストーリー展開は見てのお楽しみ。
1935年と言えば昭和10年。南北戦争の時代生きていた人がまだいたとは言え、映画の中ですら白人と黒人の職業がはっきり分かれている。
従僕のワォーカーを演じるのは「タップの神様」と呼ばれたビル・"ボージャングル"・ロビンソン。彼の誕生日5月25日はナショナル・タップダンス・デーとなった。
乳母マム・ベックを演じるのは風と共に去りぬのマミーを演じオスカー受賞した、ハティ・マクダニエル。彼女の役はいつも家政婦だったが、
「Why should I complain about making $700 a week playing a maid? If I didn't, I'd be making $7 a week being one」
(家政婦の役で週700ドル貰えるのになぜ文句言わんなんの?もし文句言ったら週7ドルで家政婦するしかないのに。)
と言ったのは有名。
黒人は当時従僕や乳母の仕事しかなかったのである。
ロイド大佐はライオネル・バリモアが演じている。彼はドリューバリモアの大叔父。
英語だが、観ているだけで面白い。