精神障害者の生活とケアと働く場「べてるの家」を見学した。全国から来た100名の、生きづらさに問題を抱える方々がグループホームやシェアハウスをして生活している。
9時15分より、オリエンテーションが始まり、その日の体調や気分、何時まで働きたいかを報告する。作業は農業の手伝いやゴミ出しや昆布の袋詰め、手芸などだ。
その後SST当事者研究話し合いが行われ、問題を抱えている人が自分の気持ちを語って、みんなでどうすれば良いかを話し合い、シュミレーションして解決に導く、という事が行われた。
弱さを持った人が、同じ弱さを持った人の正直な気持ちを聞いて一緒に考える、素晴らしい話し合いだった。
途中事務机で口論が「爆発」したメンバーがいたが、慣れてる様子で「まあまあ」となだめるスタッフ。一度はダダッと窓へ駆け寄ったメンバー。国道に警察が来て誰かを職務質問したようだが、すぐ過ぎ去った。慣れてるのか誰も驚かない。
今まで大変だったろうなぁ!!
お昼は経営されているカフェで爆弾丼ランチをいただく。たまたま元浦河教会と浦河教会の兼牧をされている五味牧師が隣のテーブルにおられた。日曜礼拝は、荻伏の元浦河教会が10:30、浦河教会が2時だそうだ。
この昆布のネーミングのユニークな事!
一番売れている昆布はこれ。美味!
ネットでも買える。
べてるの家を最初に始められた教会はこちらの旧会堂。
グループホームやセミナーハウスやシェアハウスも見せていただいた。
このホームでは、投薬を全く受けていないメンバーを無農薬ならぬ「無脳薬」、少ししか受けてない人を「減脳薬」と呼ぶそうだ。またべてる基本用語として「お客さん」というのは人の行動にネガティブな思いを抱かせる認知や思考の事。「幻聴さん」は幻聴を嫌な声でなく親しみを込めてさん付けで呼んでいる。
メンバーが全員統合失調症なのかと言えばそうでなく、鬱の人も発達障害の人も他の障害を持つ人もいるのだそうである。
浦河町赤十字病院では3年前ついに入院病棟と外来が閉鎖され、退職されたドクターによってより地域に根ざした浦河ひがし町診療所が開設された。どうしても入院する必要がある人は別の町に行くそうだ。
べてるの家ではメンバーとスタッフは見分けがつきにくい。中にはメンバーがスタッフをしている事もある。
スタッフも30%は何らかの弱さを持っておられるとのこと。弱さを知らなければ、弱さを持った人の気持ちはわからない。
見学は、電話やネットで申し込んだ。資料代として2000円支払う。朝9時15分のミーティングから、午後のミーティングまで見学できる。
浦河町に来た方はオススメする。わざわざ浦河町に来てでも見学に行く価値はある。
目からウロコの1日だった。