運転手さんは震災の時宮城県で最初に稼働したそうだ。自宅が流され、タクシーで寝泊まりし、ガソリンがなくなると給油できないので、別の車で運転。営業所では誰ひとり出勤してこなかったそうだがお客を載せて山道を南三陸町へ行ったエピソードを話してくれた。この二階建ての家の上にトレーラーが引っかかっていたんだよ、と指を指す。
駅ではわんこさんが待ってくれていた。
彼女は3ヶ月間にここで会ったが、その後すぐ病気を宣告され、大きな手術をされたが、すっかりお元気そうになって無事再会できて、本当に良かった。思ったほど痛くなかったそうだ。テクノロジーは進むんだなあ。
帰りのタクシーの運転手さんは震災で流されたクルマのスクラップの山を見せてくれた。「まだまだあるんだ」
震災のあった時停電で国道の信号のライトが消えて渋滞になって、そのまま流されたクルマがあったのだと言う。
当時はみんな「まさか」と思ったのだろう。
6年経っても爪痕が残っている。
暗雲から一筋の光が海面を照らしている。時化ると船長がアナウンスしたが、今のところ凪。