空の鳥

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「旅人」湯川秀樹自伝

ノーベル物理学賞受賞した、湯川秀樹の自伝。

先週、ボストンでホストファーザー(大学の教授)と湯川秀樹の話になった。彼は物理学の英訳の本を読んでいたそうだが、普通の物理学の本だといきなり本題に入るのに、湯川秀樹は春の自然の美しさや山の様子など延々と書き綴り、それからやっと本題に入ったので、驚いたそうだ。

かなりユニークな先生のようなので、ちょっと興味を持って自伝を1円で購入。

湯川秀樹がなぜこのような立派な業績をあげたのか、わかったような気がする。生まれ育った環境が自然でいっぱいの京都だったからだ。父親も京都大学名誉教授。家の中には蔵書が溢れ、小学校に入る前から難しい本を読むことができた。また兄弟皆別の部門の学者になっている。母親も村岡花子さんと同じ東洋英和女学校で英語勉強した人。恵まれた環境だからこそ良い研究ができたのではないかと思った。また京都大学も自由な校風で、そこもまた良かったのではないかと思う。

それにしても戦後アインシュタイン湯川秀樹と会ったとき、彼の研究が原爆を作ってしまい、日本に落としてしまう結果になったことを謝ったそうである。

湯川秀樹は1981年に亡くなるまで核反対を訴え続けた。