往年のハリウッド映画。有名すぎる映画。
キャサリンヘプバーン演じる30代独身のオハイオの秘書が一人旅でベニスにやってくる。
そこで知り合った地元の男性と恋をする。
ところが相手が結婚していることを知った彼女はアメリカへ去る。
佐藤愛子の旅行記の中のお嬢さんと会話をしているくだりで、この映画のことを面白おかしく説明していて、笑った。
「そうだ、それに、ほら、有名な映画があるじゃないの、何ていったっけ……キャサリン・ヘップバーンがベニスへ来て土産物屋のおっさんと恋をする話……」
中略
「そうそう、ロッサノ・ブラッツィ。彼が土産物屋のおっさんで、ヘップバーンにチョッカイをかけるのね。ヘップバーンはオールドミスの潔癖性なんだけど、何しろ男の免疫がないものだから、すぐフラフラになってしまう。」
中略
「ヘップバーンは今にも泣き出しそうな顔で、一所懸命伸び上ってプラットホームを見ている。そこへロッサノのおっさんが走って来た」
中略
「プラットホームを走ってるうちに、汽車が動き出す。いくら走ったって短足なんだから追いつけっこないのに、必死で走るところが」
—『娘と私のアホ旅行(「娘と私」シリーズ) (集英社文庫)』佐藤愛子著