泉鏡花の文学で最も有名な小説の映画化第一作品。
恩師に知れる事になって激怒され、
「女と別れるか私と別れるか。」
と迫られ、泣く泣く神社でお蔦に「別れてくれ。」と切り出す早瀬。
「別れろ切れろは芸者の時にいう言葉。私には死ねとおっしゃってくださいな」
と泣くお蔦。
手切れ金を渡されたお蔦は
「こんな物!!」
と言うので、突き返すのか…粋だなぁと思ったら、袱紗に包んで懐に…
え?やっぱりお金貰うの?
昭和9年のトーキー映画で、田中絹代が、竹下夢二か蕗谷虹児の絵のよう。
しなしな、なよなよ、スネたりイジイジしたり、全身で当時の「女らしさ」を表現している。
台詞には、わからない単語が幾つかあり、当時の日本語は今とは随分違うな、と感じた。
(青空文庫の原作はもっと難解。)
神社の別れ話シーンで、背後でずっと
「ガンガラガンガラ〜〜パンパン」
の参詣客の鳴らす音がずっと途切れず聞こえて、可笑しかった。
グーグルによると、ここまでは実話に基づいたストーリーで、作家自身の体験談。