私の祖父は明治生まれ。西南戦争に出陣した、という強者の父の6番目の子どもとして金沢に生まれたが、小学校5年で父が病死、先祖伝来の家は人手に渡って一家で東京や大阪へ。兄3人と弟が他家に養子に出て、祖父は奉公に出て商売を憶えた。その苦労話を業界新聞に載せたものが、伯父の会社のウエブサイトに載せられている。
北野さきも祖父と同じ頃に生まれ、家が没落して女中奉公に出、非常に苦労している。二人の歴史に共通しているのは、豊かだった生家が没落し、学校も小学校だけで奉公に出た事だ。食べるものが無くて困ったり、口惜しい思いをいっぱいしている。でもまわりの人々が非常に親切である。
祖父が夜逃げした時、近所の人々が手伝ってくれた。北野さきが問屋へ仕入れにいったら、周りの人達が帳簿の付け方や値切り方まで教えてくれた。
日本人は元々大変親切なんだ、とつくづく思った。
- 作者: 北野さき
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1993/03
- メディア: 文庫
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