昼前、庭に3人のおっちゃんが雪を踏み分けながら入って来た。
「うわー、これは危ないべ」
と声がする。
持ってきたアルミのシャベルで窓の氷柱を叩き落とし始めた。
ところがちょっとやそっとでラチがあかなかったので今度はトラックから梯子を下ろして屋根の上に上がり、雪下ろしをし、大きい板を窓ガラスの前に立て掛けて、残りの氷柱を叩き落とした。
コートを着て出て行っても、目に入らないようだ。
「あのー、どちらからいらしたのですか?」
何と病院から来た、という。
もっとびっくりしたのはこの家は医師住宅で病院のものらしいのだ。
大家は市役所だと思っていたので驚いた。
赴任した医者さん、この家に取りあえず住めと言われても、むっちゃくちゃ寒いやろな。
「明日は反対側の屋根の雪下ろしもするよ」
と言って去って行った。