古典文学。しかも元奴隷だった聡明な黒人女性が書いた自叙伝だ。19世紀の南部で奴隷として生まれ、7年祖母の家の屋根裏の狭い隙間に隠れるが、ニューヨークに脱出。奴隷制度に人権を蹂躙された一人の女性。120年間、白人の書いたフィクションだと思われ忘れられていたが、最近になって事実の裏付けが取れ、ノンフィクションだとわかったそうだ。弟はフレデリック・ダグラス(逃亡奴隷の活動家)と供に、奴隷解放運動をしていた。
ハリエット・アン・ジェイコブス
この本を読んで驚いたのは、必ずしも白人は全て鬼のような非道な人でなく、善良な人も中にもいる、と彼女が感じている事だ。事実、彼女の逃亡の援助には多くの白人が関わった。
また奴隷だけでなく、自由黒人もいて同じ町に共存し、お金を貯めて奴隷の家族を買い取るケースもある。でも奴隷は財産だったので、逃亡したら懸賞金付きでニューヨークまでも追いかけられた。まるで指名手配である。
これは逃亡した著者を追いかけ回した所有者によって載せられた新聞広告。