空の鳥

主に飼い猫+野鳥を撮って、紹介しています。

宇野千代の札幌時代 神埜努著

札幌にいた17日間、宇野千代はどの辺りに住んでいたのだろう、と考えていた。
こちらの図書館でこの本に出会った。
著者は彼女の札幌での足跡を探し出した。
彼女は大正9年(1920)に銀行員になった夫と結婚し札幌に来た。翌月大通東7丁目12番地に家を買う。
それも彼女の仕立物の才覚で買ったのである。
たった一ヶ月で家を買うなんてすごい妻だ。
札幌で彼女は文学の才能を表す。せっかくの家も夫もそこに残して東京へ行ったきり別の男性と一緒になってしまうのだが、自伝では確か札幌の家に残してきた流しの汚れたお茶碗の事を後悔していた。
彼女はこの結婚の時だけ自分から家を出たのだが、後の奔放な人生ではいつも相手が先に出て行った。
一日泣いたら、サッサと忘れてクヨクヨしないのが宇野千代さんの偉大なところだ。