空の鳥

主に飼い猫+野鳥を撮って、紹介しています。

「おそめ」石井妙子著を読む。

去年89歳で死去した「おそめ」というマダムの伝記。
彼女は京都の裕福な炭問屋で生まれたが、母が夫の父にセクハラしたので両親が離婚。
小学校を出ると芸者の修行のため東京新橋へやられ3年後京都に戻り芸妓になる。
売れっ子になったが身請けされるが、別れてダンスホールで知り合った男と同棲。
働かない男に貢ぐため女給からマダムになり、お店を経営。作家や有名人にお客が出来有名になったので東京銀座にも店を出し、飛行機で往復し、「空飛ぶマダム」として有名になった。
この女性を描いた「夜と蝶」という小説や映画もある。

本人はもとより周りの人々をよく取材して書いてあるなと感動した。

「おそめ」は新幹線の車掌にもチップを一万円渡していたそうである。
水商売は水のもんなので流れている水を止めたらいかんというので、チップはずんだのである。
昔の芸者はお金について存在を知らぬよう育てられた、という。

それにしてもセレブとお客としてよく付き合っていた。といってもひとりのヒモのようなご主人一筋だったので、感心だ。ヒモのようだったご主人はヤクザと親友だったので、ヤクザ映画のプロデューサーといて後日成功し、50年後入籍。富司純子の父でもある。

おそめ―伝説の銀座マダム (新潮文庫)

おそめ―伝説の銀座マダム (新潮文庫)