空の鳥

主に飼い猫+野鳥を撮って、紹介しています。

「サハリン島」チェーホフ著

青空文庫にはないチェーホフの「サハリン島」を買う。
120年前の樺太旅行記だ。
鎖で繋がれた囚人たちが住んでいた島だとよくわかる。
驚いたのは女性も多かったし、流刑になった夫について来たということ。
それにしてもチェーホフの人間観察とその表現は面白い。
カードを作ってインタビューしている。医者だった彼は流罪になった囚人の健康状態を取材していたのである。
夏とはいえ、シベリア鉄道もなかったこの頃よく大陸を横断したなと思う。
時は明治20年代だが、その頃の樺太にはアイヌやギリヤーク人が先住民として住んでいたのである。
世界的な文学者なので、その描写は目の前にありありと浮かぶことができる。それにしても厳しい寒さと自然と恐ろしい監獄上むち打ちの島だったと言うことがよくわかった。