ほんまにオレはアホやろか

ほんまにオレはアホやろか (新潮文庫)

水木しげるの自伝。
彼は子供の頃いくら叱られても学校を遅刻し、算数の授業に間に合わなかったので０点。学校も不合格や中退を繰り返し、挫折ばかりだった。戦争で片腕を無くしたが、鬼太郎が売れるまでは挫折ばかりを繰り返す。
でも彼の生まれ育った家庭や地域の環境は本当に素晴らしい。親切でのんびりしていた境港の写真館の夫妻を思い出す。だから彼は卑屈になることもなく叱られながらも愛されて育ったのだ。
成績が悪くても、興味のあることを伸ばしてあげることがいかに大切かと思う。
戦争体験も非常に感動した。彼はパプア・ニューギニア、ラバウルの原住民と仲良しになってしまうのだ。３０年経って戦友と再び訪れたというエピソードも素晴らしい。