空の鳥

主に飼い猫+野鳥を撮って、紹介しています。

森岡ママは今日も笑顔で丘の上 森岡まさ子著

広島県上下町でユースホステルを経営されていたおばあちゃんの自伝である。この方は98歳で亡くなられたが、経歴はなかなかドラマチックだ。
まず田舎で生まれ育ったが女学校の時に裁縫か英語科どちらか選ぶように言われ、英語を選んだ時から人生が大きく変わった。卒業後大阪へ出て大丸で勤め夜学で英文タイプライターを勉強、有名な外国の学者の秘書を務め、マッカーサーにも会ったのである。
新聞記者だったご主人と結婚、雑誌の創刊もした。でも戦争で夢が崩れ去り、広島でご主人は原爆に遭って瀕死の重傷を負う。療養を兼ねて温泉に滞在をしたときに、そこでユースホステルを始めるきっかけになった。全国から訪れる若者に原爆の恐ろしさを語った。原爆症で早世されたが、彼女が後を継いだ。
子供のいない彼女だったがユースホステルを勉強する若者を養子にし、結婚、孫も出来た。ところが晩年その若者は妻子を連れて故郷へ帰っていた。悲しい出来事だ。でも彼女は前向きでくよくよしない方なので全国世界中に講演会をしに飛び回って非常に有名な高齢者として数多く受賞。
若い時に苦労した人は高齢になって辛いことにに直面してもそれを耐え抜く力を持っているなぁとつくづく思う。

森岡ママは今日も笑顔で丘の上  97歳の青春を生きる (講談社BIZ)

森岡ママは今日も笑顔で丘の上 97歳の青春を生きる (講談社BIZ)