空の鳥

主に飼い猫+野鳥を撮って、紹介しています。

サザン・ホスピタリティ

夕べのアトランタはマイナス7度まで下がり、家の中はヒーターがあるものの、寒がりの私には少し寒かったのでブランケットを二つ折りにして眠る。ホームスティ先のご主人は朝早く出勤。奥さんはしばらくしてから起きて、私がシャワーから出たのを見計らって、ドアをノックしてヘアドライヤーを手渡してくれ、チーズ入りスコーン(40年前から使っているレシピ)と、カリカリのベーコン、スクランブルエッグを作ってくれた。一緒に食べた後その残りをご主人の銀行へ届ける。寝坊した妻が朝食を後で作って夫の職場(しかも銀行の管理職)に届けるなんて日本じゃあり得ない。銀行に入って行くと、人々は笑顔で握手し、名乗ってくれた。奥さんは情報通で、ひとりひとりの詳細をかせてくれた。
あの人は私と学校が同じ、ひとりは30年ご主人の秘書をしている、その人の夫は家具屋で.......と言った具合だ。
ひなびたアンティークなダウンタウン・グリフィンの町をドライブ。鉄道が廃止され、かつて駅だったところはなくなってしまった、とか、小さいレストランを経営している黒人女性はイスラム教徒になったんだ、とか教えてくれた。この町にシナゴーグユダヤ教会堂)はないのよ、と彼女。この町は映画「ドライビング・ミス・ディジー」の撮影に使われたのだ。映画だと、シナゴーグは人種差別主義者に焼かれたことになっていたが....実話ではあるまい。
とにかくジョージアは土地が広い。貧しい古い小さい家も寄り固まらずに点在している。そんな中で古い小さい教会堂があった。「黒人教会よ」とおばちゃん。引っ越す前の私の教会を思い出す。
かつてはタオル地の工場があって盛んだったのだが、東南アジアに市場を奪われて、次々縮小されたんだ、とのこと。
空港まで送ってもらう間、町の歴史、ご主人とのなれそめ、家族のこと、いっぱい話してくれた。そして、家賃はいくらかボーイフレンドの有無などいっぱい質問をしてきた。情報を新しく仕入れた彼女は、皆にきっと教えるのだろう。
帰りのフライトは「飛行機の揺れを止める」お祈りをしてくれている友人のおかげで、乗り物と思えないくらい揺れなかった。機内で持たせてもらったお弁当を食べる。ハムサンドとチップスとバーだ。晴天でボストン湾の灯台がきれいに見えた。
帰って黒人教会のリハーサルへ。誰にもジョージアに行って来たことは言わなかった。