空の鳥

主に飼い猫+野鳥を撮って、紹介しています。

武家の女性 山川菊栄著 を読む。

昭和18年に書かれた本。著者の母は存命中だったが、彼女は水戸藩士の娘だった。子供の頃の思い出話が綴られている。
下級武士の家では、農家から買った綿で主婦が糸を紡ぎ、機織りで織、縫った。広い敷地の藩邸で野菜を作り、衣食住すべてを藩領の中で賄う自給自足だった。
武士は家の中でも外でも人に会う時は刀を差すのが礼儀だった。子どもも元服までは脇差しを必ず差して塾に通った。興味深いのは、男の子は父親、女の子は母親が家庭教育をしたこと。礼儀作法など厳しくしつけられたそうだ。
お嫁に行くと、姑は30代、その上に50歳くらいの姑、更に70代の姑と3人いることもあったらしい。
それにしても江戸時代の武士は貧しくしきたりに縛られて不自由だ。町人の方が自由で豊かで楽しそう。

武家の女性 (岩波文庫 青 162-1)

武家の女性 (岩波文庫 青 162-1)