空の鳥

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「私の見た日本人」パールバック著

1961年に出版されたこの本は今まで訳されたことのないものだった。
パールバックは宣教師だった両親に連れられ人生の半分を中国で暮らしてきた。そのため中国語は堪能である。日本について中国側からの見方で語ることができる。
また彼女は両親と戦前日本に疎開したこともあり、戦後も日本で暮らしたことがあるので、戦前と戦後の違いも詳しく説明している。
感動したのはやはり日本人が他のアジアの国と違うという理由についてである。日本は鎖国をしたがヨーロッパの植民地支配から逃れることができた。
また日本人の価値観、義理ということについての説明が面白かった。義理は全ての人間関係において最も大事なこととされてきた。自殺は責任を取る時に行われるというのもよく見ている。
宗教観に関する件も面白かった。日本人はそもそも性善説であるというのである。ハードルバックは詳細に宗教について記述している。
日本人の結婚についての記述も面白かった。結婚は親が決め、離婚率は20分の一だという。1966年ではそうだったのだ。

島国根性や日本人の持つ二面性についても、よく描写されていた。

さすがパールバックである。なぜこんな面白い本が今年まで翻訳されなかったのだろう?

使われている白黒写真も昭和41年頃のもので、とても興味深い。
今から40年以上前の日本の暮らしはなんか楽しそうである。

私の見た日本人

私の見た日本人