以前、パフスリーブの事について書いた.
このパフスリーブは、1895年がピークであった。
別名バルーンと呼ばれ、王室から開拓農民まで、こぞって袖をふくらませた。赤毛のアンにも出て来る。あまりに厳格なマリラは袖を膨らませるなんてもってのほか。妹の目を盗んで、マシューがリンド夫人に「パフスリーブで」と注文をつけてアンのために仕立ててもらう。
だが、この服結構大変だ。こうするには、
袖用のワイヤーが要ったんである。
パターンもいっぱいあった。
型紙もあったが、難しそう。気軽に引き受けたリンド夫人も、面倒な仕事だったろう。
原作者のモンゴメリも、赤毛のアンの作者だけあって当然パフスリーブである。
皇室アルバムも、パフスリーブ一辺倒。
ヴィクトリア女王の家族。
貴族のレディ
ルーマニア皇太子妃
アレキサンドラ皇太子妃
レディビアトリス
ロマノフ皇太子夫妻
庶民も、負けていなかった。
喪服だって、パフスリーブ。
女優も当然。
「その袖の部分だけでブラウス一枚縫えるよ。」とマリラが言うのも無理もなく、「布地が勿体ない。」とみんな思ったのか、全世界を駆け巡った頃狂信的な流行は、1896年思って終息を迎えた。