空の鳥

主に飼い猫+野鳥を撮って、紹介しています。

赤毛のアンの訳

1日読書に没頭する。
赤毛のアンを原文、村岡花子訳、松本侑子訳で読み比べるのだ。面白い事に、村岡さんの訳には間違いや日本の少年少女がわかるように、少し変えているところが結構ある。例えばアンの服の生地をマリラがbargen wagonから見つけて来るというところを、松本さんが「大売り出し」と訳しているのに、村岡さんは「物品交換所」と訳している。でもこれはきっと村岡さんの辞書にそう出ていたんだろう。彼女が翻訳した時、今ほどカナダの生活習慣の情報もなかったろうし。それとダイアナにいちご水を飲ませたところ、葡萄酒だったことなっているが、原文ではrasberry cordialとcurrant wineで、松本訳では木苺水とスグリの果実酒である。ここでも松本さんのほうが正確だ。でも、息子に体罰を与えた男性教師に怒鳴り込んで来た父親が村岡訳では「うちの息子のどのひとりにも二度と手をあげたらただじゃおかないからな。」というシーンで原文ではSam's father came to school and dared Mr. Phillip to lay a hand on one of his children againとなっているのだが、松本訳は「今度また、うちの子に指一本でも触れたら、どの子だろうとだだじゃおかないってすごんだ」となっている。松本訳は解釈によっては教師自身じゃなくて教室にいる別の子どもを指しているようにもとれる。うーん、比べてみたら面白い。
それにしても赤毛のアンには食べ物、中でも甘いものがよく出て来る。私は少しならおいしいが、アメリカに来てから、招かれた時、いやというほどデザートを勧められてへきへきしてきたので、日本で読んだときほど感激しなくなっている事に気づいた。