ある武士の自分史。
下級武士、といっても将軍の護衛をつかさどる影武者。武道だけでなく水泳の特訓、漢文などを勉強。お寺に奉公にやられた上、長男でないので養子に。時代は激動の幕末だったので、将軍について上洛したり上野戦争に巻き込まれたり、大変な目に遭っている。
明治維新で将軍について静岡に下る。そして牢の番人、熊谷で学校勤務、群馬県の役人、小間物屋、博物館の勤務など色々な職業につき、晩年自分史を書いた。
これほど苦労して忙しいのに、幕臣の同窓会やキノコ取りに出かけたり、と余生を楽しむ余裕もあった。
子どもを3人かごに乗せて東海道を歩いている絵はとてもかわいい。