著者は私がボストンに住んでいた時、うちの教室にピアノを習いに来ていた。ベートーベンの月光のソナタを楽譜通りでなく自由に弾く型にはまらない生徒だった。
ハーバードというといかにもというような頭の切れるエリートタイプと思うだろうが、おしゃれでハイヒールで可愛いドレスが好きな普通の東京の女の子。
大事な物をどこかに忘れて来る常習だったり、みんなが知ってる事を知らなかったり、周りを驚かせる。
でも、彼女には人からモノを教わろうとする姿勢がいつも真剣で、うなずいて人の話に耳を傾ける。
ハーバードに入ることが出来たのは、多分持って生まれたこの姿勢だろうと思う。
本にも書かれていたが、彼女はハーバードの必須科目の数学で最初苦労していたようだった。
ところが、ハーバードの英語の教科書の日本語版を発見。勉強がはかどり最終的に成績はA。
これを聞いた時はちょっと見直した。日本の誇るべき女性ではないか。
博士課程に合格したと聞いた時は、本当に嬉しかった。日本人で、しかも女性である。
著書はとても良く書けていて、年齢や職業を問わず、勇気と希望を与えてくれる本。
誰が読んでも分かりやすい。
大学関係の方はもちろん、教育者、学生、子供を持つ人はぜひ読んで欲しい。