面会制限が言い渡されたので、母が入院する病院は静まり返っていた。ユニクロで買った動きやすい衣服を衣装ケースに収納していたら、ミセスYMがすっと現れた。
よく受付を通過したなとびっくりした。彼女は私の晩御飯にと鶏の唐揚げときんぴらのミンチ炒めを持参。これもびっくりした。
母は彼女に「ベッドの上から全く動けないのはつらかった」と話していた。私には辛いといったことがないのでそうだったのかと思った。
ペットの話で盛り上がる。
うちの猫は今朝家中掃除した後を見計らって、砂を撒き散らした。私が庭を散歩させなかったので怒って腹いせでやったのだ。
夜、町内会サークルの女性から電話。
「今年のお正月でお宅のお母さんは…ホラ何とかいう…ありますやん？」
「…？」
「コキ、いやキジュ、いや、ホラありますやん？」
「は…？」
「とに角、みんなでお祝いしたので紅白のおまんじゅうを明日届けます。お母さんはなんやゆうても数えXXの立派なおばあさんやねんから大事にしてあげてください。」
と言って電話を切った。
いったい何をお祝いしたのだろう？
