今日からうちの先祖の家につたわるお雛様とドールハウスを公開する日だ。
10時から玄関を開け、お客様を迎える。午前中は城田さんとお友だち、午後から、牧師夫人、玲子さん、中野さん、佐藤さんが見える。また母の友達が大勢見え、抹茶と茶菓子を出す。私は表千家でも裏千家でもないから、適当にお手前を立てる。気も利かないからお客さんの話を聞くだけだったが。
母の年代の人々の話を聞くのは面白い。子どもや孫の話、猫の話が多かった。すてきな恋愛や将来の夢やキャリアの話は誰もしなかった。
夕方になると私はさすがに疲れ、物も言わなくなった。佳代ちゃんという和服のお茶の先生が来て、手伝うだけでなくお寿司を差し入れてくれた。
弁護士の書いたレターをよく読んでみたら、住所が間違っている。これだったらつかないし、私の雇用主もサイン出来ないだろう。まったくよくこれでマンハッタンでオフィスワークが出来る。ジョンの携帯に弁護士のキャシーが「あ、間違って掛けちゃった」と言って掛けたらしい。ニューヨークはユダヤ人、中国人、黒人だらけで、ワスプは少ないから、間違ったのではなく、わざとに違いない。でも間違いだらけの仕事する人だから、そうかもしれないが。
