空の鳥

主に飼い猫+野鳥を撮って、紹介しています。

森鴎外「雁」を読む。

土曜日から熱を出しているジョンは、今日で寝込んで4日目。「何か食べ物や薬、飲み物を買って行こうか?」と電話のたびに尋ねるのだが、部屋にはいっぱいある、とか自分で買いに行ける、とか言う。私は「あ、そうなの」とあっさり答えていたが、会社も休んで寝込んでいるし、夕べスープを作った、と言ったら、僕の分も少し置いといて、とか言うので、これは飢えているかもしれない、と思い、具沢山の野菜スープを作って配達。彼は4日分の無精髭をはやし、やつれていた。玄関で渡して帰る。
5歳の子と今日も遊ぶ。彼はハロウィーンの衣装を着てみせてくれた。あと私が図書館で借りて来たかこさとしの絵本を読んだら、最後のページまで行儀よく聞いてくれた。一緒にドラえもんを見て、海賊ごっこをして遊ぶ。その間、猫はずっと一緒にじゃれ回っていた。この猫私を大歓迎してくれ、すりすりし、喉をならし、まとわりつく。かわいい事この上ない。
夕飯はマサオズキッチンへ。最近リタさんいらっしゃいませんねえというので、亡くなったんですよ、というと、彼はしばらく驚いて目を見開いていたが、「そうですか、気のしっかりした方でしたね」としんみり言った。
夜、図書館から借りた森鴎外の「雁」を読む。この本は英訳もされている。明治の初めの頃の物語だ。何と情緒あふれるすばらしい文学だ。人を引きつけて離さないストーリーの展開。だまされて高利貸しの妾にされたお玉の魅力的な事。江戸時代の女性の風俗画をみてるようだ。この文学には女性がよく出てきて、明治色の女性がどんな人生を送っていたかがよくわかる。

雁 (岩波文庫 緑 5-5)

雁 (岩波文庫 緑 5-5)