空の鳥

主に飼い猫+野鳥を撮って、紹介しています。

おばあちゃんとカナリア

私の母方の祖母は動物があまり好きでなくて、猫がすり寄って来たら「うるさい」といって蹴っていたそうである。ここで断っておくが、彼女は明治の女性で行儀はきちんとした人で、決して足でその辺のものを蹴ったりしない人だ。よほど猫が嫌いだったとみえる。
でも私が小さい頃突然カナリアを飼い始め、繁殖に凝り始めた。卵を集めて別に保温し、親鳥には偽卵を抱かして、ヒナは別に世話をしたという。そして、私の入学祝いにオレンジ色の雄を一羽くれた。ピピちゃんと名付けた。良く鳴くいいカナリアだった。
祖母はどうして突然カナリアの繁殖に凝り始めたのだろう。その他ジュウシマツやキンカチョウも飼っていた。猫はいやだが、小鳥は好きだったのだろうか。
ちょうどその頃一番下の娘も結婚したので、心にぽっかり穴が開いたのだろうか。
祖母は趣味がなかったように思う。母が入院してしばらく滞在していた時も、千代紙で姉様人形を作ってくれた事があるが、それが趣味だったわけではない。旅行も、祖父の叙勲で東京へ行ったのと、おばとシンガポールへ行ったのくらいだ。乗り物が嫌いらしく、ほとんど旅はしなかった。明治の女性は人生を楽しむ、というすべを知らなかったのだろうか。残念だ。