空の鳥

主に飼い猫+野鳥を撮って、紹介しています。

安城家の舞踏会(1947)

新藤兼人脚本。没落した伯爵の屋敷で営まれる最後の舞踏会のお話。

伯爵(滝沢修)は使用人から「殿様」と呼ばれている。舞踏会には、親戚や友人だけでなく、妾の芸者や、借金している男と娘、戦後成金で金持ちになった元運転手も来る。
【印象的なシーン。】
  • ピアノを弾いている長男(森雅之)にお茶を持ってきた女中が、突然ジャンプして鍵盤の上にドシーンと座って挑発する。
  • 出戻りの長女(逢初夢子)を密かに憧れていた元運転手が経済的助けを申し出る。それまで冷たい態度だったのに、札束を見るやいなや玄関に置いてやる鎧甲冑を押し倒して運転士を追いかけ、海岸の砂浜をドレスのままコロコロ転げおちる。
  • ピストル自殺しようとする伯爵を目撃した次女(原節子)が広いホールを走って突進し、フットボールの試合のように体当たりで阻止する。すさまじい。
【ツッコミたくなるシーン】
  • 暗譜でショパンエチュードを次々弾く長男。よそ見しながら弾いている。
  • 舞踏会の弦楽オーケストラになぜかアコーディオン奏者がいる。後半にはタンゴやジャズも聞こえているが、楽器は見当たらない。レコードか。
  • 伯爵が子供の頃から仕えていた使用人。明日朝早く田舎へ発つと挨拶しに来たのに、汚れたグラスをいっぱい載せたお盆を「はい」と渡す次女。
  • 元運転手が借金取りに渡した札束の山。数えて領収書書いて貰ってない。
  • すべて西洋式で家の中まで靴履いている屋敷の玄関に、なぜ鎧甲冑が置いてあるのか。

あの頃映画 安城家の舞踏會 [DVD]

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