マドリッド出身のベゴニアは大学寮の時からの友人であり、私の知っているボーカルの中で最も心優しい女の子であった。
名の知れたギター奏者と結婚し、驚かせたが、美しい彼女なら当然だと思った。
5年前から乳がんのステージ4が見つかり、戦ってきていた。
良い先生がいると言ってドイツまで治しに行った。友達は治療費を集め、みんなで支援した。
彼女は食べ物も乳製品など乳がんに悪いものは一切取らず、入院中ですら料理は自分でして、自分の体をいたわって大切にしていた。去年の11月には良くなったとメールしてきたので、よかったねと言っていた。
4月にはコロナのことがあったのでどうしているか聞いたら、スペインでは公園には歩きにいけなくなって残念だと言う返事だった。
今朝ご家族からのアナウンスメントがあった。こないだの日曜日、彼女はついに天国に旅立ったという。
ベゴニアは猫が好きで、うちの猫の写真を見ていつも可愛いとコメントをくれた。
まだ40歳ぐらい。なぜこんな若くに死んだんだろう。
彼女とのメッセンジャーを読み返して見たら、最後は、私を気遣う向こうからのメッセージで終わっていた。私は返信していなかった。
なぜ、ありがとうと返信しなかったのだろう。
悔やまれる。