田中絹代主演の映画を二つ見る。
「雨月物語」は、江戸時代に書かれた物語。
戦国時代が背景の、2組の夫婦の話。
最も印象に残ったのは、本当は幽霊だったお姫様の眉毛の位置。雛人形と同じなのだが、恐かった。
「お遊さま」は谷崎潤一郎が原作。
[あらすじ] (ネタバレ)
主人公お遊さまはお金持ちの未亡人。妹のお見合いの席で、相手から間違われて見初められてしまう。
2人は相思相愛になったが、妹はそれに気づいて結婚しても、本当の夫婦にならなかった。
ところが、お遊さまの子供が死んで、離縁されてしまう。妹はこの時とばかり、夫と姉が一緒になるように勧めるが、驚いたお遊さまは絶交して別のお金持ちと再婚する。
妹は夫と東京に転居し、ひどい荒屋に住んで子供を産んで死んでしまう。
夫はお遊さまの邸の庭園に、その子供を手紙とともに置いて、立ち去る。
この映画は、絵巻物のように美しくて、見ごたえがあった。田中絹代は本当に琴を上手に弾いていて、びっくりした。白黒だから新緑の美しさや着物の色がわからないが、それがまた想像をかき立てられて良いと思った。
着物を着た人々の所作が美しい。こんな映画は今では絶対できないだろうと思う。