タラ・ウエストーバー博士(36)の自伝。
1986年にアイダホ州クリフトンの小さな村で七人兄弟の末っ子として生まれたタラは、両親が偏った信仰のモルモン教徒ーサバイバリストーだったので、出生届も出されず、学校にも行かせて貰えなかった。
病気になっても事故で大怪我しても民間療法で治し、父親のパワハラ、兄の家庭内暴力、見て見ぬ振りする両親、と過酷な家庭で育つ。
16歳で決心して、ひとりで勉強をしてブリガムヤング大学に入学。
初めての授業でホロコーストがわからず、恥をかく。
才能のあるビルゲイツの奨学金を得てイギリスのケンブリッジ大学に留学、ハーバードにも奨学金を得る。
モルモンの信仰を失った彼女を改心させるために、両親がわざわざボストンまで来たが、ダメだったので絶縁される。
ショックでしばらくおかしくなりかけるが、カウンセリングを受けて回復し、ついに博士号を取得する。
彼女の自伝を読みながら、Googleで調べたら、実家が航空写真にばっちり映っていた。
お母さんはお姉さんとハーブを作って売っているようだ。
この町は人口304人で、19世紀の開拓当時からほとんど変わっていない。街の中心にでかいモルモン寺院があり、著者の親族一同熱心に通っている。
先祖代々が眠っている墓地を調べると、19世紀終わりまで一夫多妻だったようだ。
著書によると恐ろしいことにホルモンでは、いつか認められる日が来たら一夫多妻になる事が正しい事だと今でも教えられているそうだ。
話を戻そう。
子供を学校に行かなくても、教会には休まず行かせ、偏り切った独自の信仰で、がんじがらめに家族を洗脳してきたお父さんは、やはりおかしいと思う。
それでも7人の子供のうち3人が家を出て教育を受け、博士号を取った。
残り4人はいまだ小学校も卒業していないで、両親に頼って生きている。
彼女の著書はたくさん売れ、15週連続でベストセラーだった。
すごく面白いので、勇気を貰いたい女性、アメリカの宗教コミュニティについて調べたい人、家族とのモラハラやDV問題に悩んでいる人に超オススメ。
エレンの部屋でインタビューを受ける著者。
オプラウインフリーの部屋に出演。
この中で心に残った著者の言葉。
You Can Love Someone and Still Choose to Say
Goodbye.
You can miss a person every day.
And still be glad that they're no longer in your
life.
「愛している誰かさんに、さよなら言う選択肢がある。
毎日会いたくてもいい。
そしてあなたの人生から、もはやいなくてうれしい。」
だろうか。
カルト家族からの呪縛から、強い意志で自立した彼女ならではの言葉ではないか。