自宅で認知症の父親の介護をしている息子の動画。
1500万人ものフォロワーがいる。
このお父さんは91歳。元足専門科医だがすっかり忘れている。息子の顔も覚えていないし、自分の歳もわからない。
六人兄弟だが、面倒を見ているのはダン氏と兄のマーク氏だけ。4日交代でお父さんの世話をしている。
毎朝、起きて混乱する父親。
「ここはどこ?」「息子の家です。」
「母さんはどこ?」「45年も前に離婚したけど、近くに住んでいてしょっちゅう会うよ。」
「車の鍵がない。」「5年前に売ったよ。」
「何で車売ったの?」「行き先は忘れるし、赤信号は無視するので免許停止になったんだよ。それで売ったの。」
「弟のビルはどこ?」「15年前に亡くなった。お葬式に行ったでしょう。」そのたびにショックを受けて涙を浮かべる父。
毎日同じ質問をしている。
息子の奥さんはもっと大変で、夫が仕事行ってる間ずっとこの質問に答えている。
私が感動するのは、認知症になっても、ユーモアのセンスとか共感する心は残っていて、紳士なところだ。「Perdon me?」が口癖だ。
息子の顔も覚えていないのに昔の事はよく覚えている。SNSを通じて高校のクラブ活動の友達から連絡がきたが、ちゃんと名前のスペルまで覚えている。
ダン氏は弁護士で、お父さんも元は医者なうえ家を売ったのでお金持ちだが、日本のようなデイサービスのようなシステムがないので、家族は本当に大変だ。トイレだけ自分でできるので、まだマシかもしれない。
このお父さんは、最初の結婚で、5人の子供を設けて、次の結婚で1人の子供(エクストラズボーナスと呼んでいる)を設けているが、みんな仲良く付き合っている。
大人でないとできない行為だなと感心する。
母はこのお父さんと離婚後大学に行って心理学者になり、5人の子供を育てた。13歳で親が離婚したのは辛くて依存症になったんだよ、と息子が話しても記憶にない父。
この人々は全国ニュースにも出たし、地元の有名人のようだが、動画の収益はアルツハイマーの研究所に寄付している。