空の鳥

主に飼い猫+野鳥を撮って、紹介しています。

在オスマン帝国のイギリス大使夫人の書簡

レディ・メアリー・ウォートリー・モンタギュー(1689-1762)。

イギリス貴族で大使夫人で作家。

この人の旅行先から書いた手紙がめちゃくちゃ面白い。

まだ汽車が出来る100年前に馬車でイェニチェリに守られ、当時のオスマン帝国の領土をくまなく旅行した。

ムスタファ二世の未亡人や大宰相の奥さんに招かれて、料理や美しい女奴隷のダンスや音楽を楽しみ、大浴場ハマムへも行った。

女性たちのファッションや調度品の描写など、貴婦人ならでの表現が面白い。

ハレムの習慣についてもスルタンの未亡人から詳しく聞いている。

スルタンが夜伽を希望すれば宦官が呼びに来るので、みんなで綺麗に用意して行ったそうだ。

ムスタファ二世が崩御した後、高齢の長官と結婚させられたが、10代の昔引き立てて貰った恩人だったとの事。ドラマ「オスマン帝国外伝」そのものだなぁ!

作者はトルコに行く前天然痘になり、弟もその病気で亡くした。トルコに滞在している間、あばたの人があまりいないのに気づき、天然痘の予防である種痘(人痘接種法)がある事を知って、帰国後王女や自分の子供にも施してそれを広めて、多くの人の命を助けた功績がある。

f:id:dollyosaka:20230920111320j:imagef:id:dollyosaka:20230920111322j:imagef:id:dollyosaka:20230920111614j:imagef:id:dollyosaka:20230920111325j:image彼女の功績を称えた記念碑。

なお、無料でも読める。

https://ia601600.us.archive.org/28/items/lettersworksofla01inmont/lettersworksofla01inmont.pdf

また東京外国語大学のサイトでも「トルコ書簡集」全文訳が出ている。