サウスキャロライナから来たレイチェルは、クリエイティブな女性で，ハンドバッグやジュエリーを作る事が出来る。中でも彫金は有名な学校でコースを取って勉強したらしく，自分の作品を売っている。朝食は彼女の作品鑑賞会となり、皆ひとつずつ指輪を買った。私は12月の誕生石のジルコンのきれいな指輪を選ぶ。すべて彼女の手作りだ。彼女は自分の作品を手渡す時手を振ってお別れをしていた。きっと人手に渡すのが惜しいのだろう。私はこの指輪を見るたびに、ガンなのにそれをむしろ感謝しながらひとつひとつ心を込めて作品作りをしているレイチェルを思い出そうと思う。
午前中はロンドンから来た医者の出生の話で盛り上がった。彼女が生まれた時、大変熟練された産婆が巻き付いたへその緒に気づいて押し戻し、中で外して取り上げてくれたそうだ。母親はびっくりしたのだそうだが、産婆は冷静に彼女を落ち着かせて、彼女は無事生まれた。今だに毎朝起きるたび、生まれた事を感謝せずにはおれないそうだ。
私も実は奇跡的に生まれた子どもだった。母が流産しかけた時、女医がタクシーに乗って来てくれて注射してくれたそうだ。私も彼女のように毎朝起きて生きている事を感謝したい。でも朝は超弱いから、なかなかそうはいかないが。
レイチェルを病院に送り、私はピアノを教える。今日の生徒は3人だ。5歳、7歳、そしてHちゃん。気温は３５度を超え、蒸し暑いのに冷房の無いレッスン室で気の毒だった。
Mを迎えに南駅へ。彼女は黒柳徹子さん、緒方貞子さんに会った事があるそうだ。Hちゃんとベトナム料理のレモングラスへ。おいしいベジタリアン・ポーを食べる。
