空の鳥

主に飼い猫+野鳥を撮って、紹介しています。

カエル先生

昨日急にしめつけられるような痛みが左胸に起こったので、朝からいつもの医者にアポを取ろうと思っていたら、インドにいるHちゃんがスカイプにいたので彼女から日本人のドクターを紹介してもらう。別名「カエル先生」というらしい。行けばわかるから、と彼女。この先生は日本人で、領事館の担当医でもある。
連絡を入れたら今日の午後診て下さるとのこと、さっそく出かける。
丘の上のカトリック系病院に先生の診察室がある。複雑な作りの病院で迷子になっていたら通りがかったナースが場所を教えてくれたが、ドクターの名前を言うと、「クスッ」と笑ったような気がした。ノックしてドアを開けると、笑顔のカエル先生がそこにいた。先生の診察室は壁中絵はがきが貼られていて、広いデスクの上にはカエルのおもちゃがいっぱいあるのだ。先生もカエルに似ているような気がする。年の頃は50代後半だろうか、年齢不詳だ。
私の話をじっくり聞き、一枚のコピーペーパーにさらさらとミミズのような字で書いていき、いっぱいになった。
「痛みが起こった後、あなたはどうしましたか?」
というので、ゴスペルを三時間弾いた、と言ったら、これは絶対心臓の発作じゃない。もしそうだったら三時間もゴスペルなんか弾けない、とドクター。「こうやって弾くんでしょ」とゴスペルを弾く格好をした。
そして聴診器で心臓の音を聞いて「こりゃあ、いい音だ。聞いてご覧?」と言って聴診器を私の耳につけ変えた。今までどれほど内科医にかかったかわからないが、こんな先生は初めてだ。果たして私は初めて自分の心臓の音を聞いた。いい音かどうか、わからない。
その後どうやって暮らしているのか、とかストレスが多かったんじゃないか、とか色々尋ねて下さり、気づくと1時間もそこにいた。心臓が悪くない、というだけで、すっかり元気になったような気分だ。
支払いの時、「日本人だけ安くすると、上がうるさいんですよ。100ドルでいいですか?」とドクター。診察室で支払いをするのも初めてだ。小切手帳を持って来てない、というと、じゃあ送って下さいね、といって名刺を下さった。
心臓が悪くない、と聞いてほっとし、帰宅して5時間熟睡した。