伯父から借りたこの本を読む。著者が直接伯父にくれたそうだ。
著者は金沢の前田家から姫路城の酒井家に嫁いだ江戸時代ならお姫さまだった人。
とにかくすごい。写真が焼けなかったのはラッキーである。
こないだ徳川元子さんの自伝を読んだが、金持ちレベルが少し違う。何せ父親は先祖代々の江戸屋敷を東京大学に売って、駒場にあるもっと広い地所に森つきの大邸宅を建てたのだ。建坪８８１坪、家で働く人の数は１３２人だったという。
戦後進駐軍が高輪の屋敷の接収しに来たのを彼女はうまく交渉し、半分くぎって住まわせ、家の中で高級クラブを経営し経済的破綻を食い止めた。
揶揄する人も多い中、マナーの先生としてセレブとしてテレビや著述で活躍された。
彼女が大阪に来られるとき、伯父が友達だった故高田好胤さんから頼まれてお相手をしたのがきっかけで、お付き合いがあった。彼女に
「あなたの先祖は大名行列の中で馬に乗っていた人よ。」
と言われて伯父は喜んでいたのだ。
本当のところ足軽だった事を、お姫さまは何も知らずに亡くなった。
