空の鳥

主に飼い猫+野鳥を撮って、紹介しています。

「命のビザを繋いだ男―小辻節三とユダヤ難民」を読む。山田 純大著

命のビザを繋いだ男―小辻節三とユダヤ難民

命のビザを繋いだ男―小辻節三とユダヤ難民

6,000人の「命のビザ」を手にして日本に逃げ延びてきたユダヤ人たちを助けてあげた人がいることを知りました。
小辻節三さんというヘブライ語学者です。
彼は1899年に京都の神主の家で生まれ、クリスチャンになって牧師になります。旭川の教会で牧師をしている時、結婚した奥さんが着物を売って作ったお金でアメリカに留学、ニューヨークの神学校を卒業した後車で大陸を横断してカリフォルニアへ行きヘブライ語を勉強します。
帰国後は満州鉄道の仕事で、退職後豊かな暮らしをしていたにもかかわらず、ユダヤ人を助けるために警察を買収したり、投稿警察に拷問を受けたりしながら命がけで奔走、無事にアメリカとの開戦までに神戸に滞在するそのユダヤ人たちを上海やアメリカなどに逃がしてあげることができたのです。
彼を始め、逃げてきたユダヤ人を助けた敦賀港の人々など、日本人は情け深く、勇気があるなあと感動しました。
また獄死した松岡洋右はアメリカで教育を受けたクリスチャンの政治家ですが、彼もまたアメリカとの戦争を避けることを願っていたことを知りました。
誇りに思うのは日独伊三国同盟だったにもかかわらず、日本政府がホロコーストを助けなかったことです。日本人は虐殺者では無い、人の命を助けようとする民族なのです。