メイドをしていた貧しいシングルマザーの自伝。
ワシントン州に住んでいるステファニーは、モンタナ州の大学に行こうとしていた矢先、彼氏の子供を身ごもったことに気づいた。妊娠を告げると彼氏は不機嫌になり、DVを受け、ついに警察沙汰になる。
彼女の両親は離婚しそれぞれ再婚している上、事情があって支援してくれないので、彼女は幼い子供とホームレスのシェルターや補助金をもらえるアパートに引っ越す。メイドの仕事を始めたが、きつくてお金も少なくて、食事も節約する。
彼女の立派なところは、貧しい生活を送りながらも、大学の勉強をがんばって、頼れる公的機関を上手に利用し、たくましく生きていくところ。
すごく面白い本だった。アメリカの底辺の闇の部分が当事者によって語られていて、ぐいぐい引き込まれた。
この1冊でアメリカがどんな国なのかがわかる。
作者の写真(Wikipediaより)
今は良い人と出会って結婚し、モンタナ大学も卒業、文筆業で成功している。
相手の連れ子も入れて大所帯だ。
SNSによると去年から二度流産したようで、辛い経験をしたようだが、きっと彼女の底力で立ち直るだろう。