Mは金曜日からずっと病院のRさんに付き添っている。日本のような付き添い用ベッドなんかないので、普通の椅子の上で寝ているのだ。日本のように病室に冷蔵庫もないし、結構不便である。
Mもロンドンから来た泊まり客も医者で、ナースや主治医のする事にいちゃもんつける。きっとやりにくかろう。今日も薬の副作用で朝からRさんはすやすや寝てしまい、たたいても揺すってもなかなか起きない。目を覚ましてもすぐ寝てしまう。なんでも飲んだ薬のうち3種類に眠くなる成分が入っているらしい。眠くなるのも無理は無い。
眠くなったのは副作用で、がんのせいではないが、2人の医者は大騒ぎをする。ジーンも片道2時間かけて駆けつける。彼女は今晩泊まり込むと言う。
明後日帰国するお客をギャラリアモールに連れていく。私の好きなアメリカンイーグルでかわいいTシャツを見つけたので買う。お客はBBCに勤めている娘さんのためにオールド・ネービーのTシャツを買っていた。私はこの店は安物っぽくて嫌いだ。私はバナナ・リパブリックもあまり好きでない。シャツとセーターを買った事があるがいずれも買って後悔し、数回来て救世軍に寄付した。
車を修理工場へ持って行く。預ける事を考えて、ジーンが車でついて来てくれた。中東系の修理工は「ブレーキは問題ないし、エンジンもいい。」という。私の車は現金だ。修理工が乗るととても調子がいいのだ。
病院のRさんに４人も付き添う必要がないので私だけ先に帰る。なんでもドクターモーガンが来て、後６ヶ月位しか生きれないから準備をしなさい、と言ったらしい。Rさんが外国に住む息子に電話したら、彼はそれを聞いて泣いたのだそうだ。
