誰も出て来ないから行きかけたら、向かいのコンビニからおじさんが飛び出して来て戻るように合図したので、バックして給油してもらう。
彼に会うのは初めてだったが、大阪からの移住者だと以前街の人々が教えてくれていたので尋ねて見ると、やはりそうだという。
彼は札幌オリンピックの翌年に移住してくるまで、大阪谷町の金物問屋に勤めていた、という。
私の祖父も店をやっていたんですよ、と苗字を言うと、「マツロクさんでっか?」と屋号を言ったのでびっくりした。
取引があったのでよく行ったそうだ。
「社長は箒とちりとりで店の前で掃除してはって、専務に社長やねんからやめとくなはれて言われてはった。」
祖父のエピソードを聞いて胸がいっぱいになった。社長も専務とは祖父と伯父の事である。
北海道のこんな遠いところで、死んで24年もたつ祖父の事を知っている人に出会うって不思議だ。
ここしばらく悲しい気分が続いていたので、嬉しい気持ちになった。
奇跡や~神様ありがとう!