檀一雄の母の自伝。
「火宅の人」で有名になった檀一雄より、もっとすごいドラマチックな人生。
九州の立派な士族の家に生まれ、15歳で地主に嫁ぐが姑小姑のイジメにあって離婚、2番目に結婚した檀一雄の父は、嫉妬心の強いモラハラ。弟の見舞いすら行かせてくれない。
4人の子供を置いて家出。助けてくれた医学生と出来てしまうが別れる。
実家に戻ると、母は白い短剣を持って来て自害しなさい、と迫る。
とりなしてくれたクリスチャンの男性と再婚。その人は妻を亡くしたやもめで、お金持ち。
再婚相手の子供を育てながら、置いてきた自分の子供のことを思いながら、次々子供を産む。
長男檀一雄には12年後に再会。夫に死なれた彼女は戦中戦後を生き抜く。戦後財産をすっかり失ってバスの切符売りをしたり、編み物の注文を取ったり、下宿屋をしたりするが、檀一雄の妻が死んだり、再婚しても女優と駆け落ちしたり、と心配事が絶えない。さらに肺癌で檀一雄に先立たれる。
私の祖母と同世代なので、当時の価値観や生活の仕方がわかって、とても興味深く読んだ。
近郊をドライブ
もう走ることなくなった日高本線。復旧はするのかな。
蓬莱山。少し願望岩に似ている。